
designer’s BOOK
デザイナー目線のデザイン本を選んでみました。
日本のデザイン 1945-
[著者] ナオミ・ポロック(訳・北川玲)
[出版] 河出書房新社
[発行] 2020年
[価格] 7200円(税込7920円)
[内容] 戦後日本で確立した洗練されたあらゆる分野のデザインを網羅。
【第一部】『デザインの巨匠たち』デザイナーとして名を馳せた三宅一生はじめ13組の巨匠の略歴や作風を簡潔に紹介。
【第一部】『デザイナーと日用品の「デザインアイコン」』家具・食器・電化製品・グラフィックデザイン・布・雑貨の6分野における日用品デザインの誕生の経緯とその重要性をからめて紹介。
[おすすめポイント]巨匠のデザインだけで一冊の1/3のボリュームを割いているものの、文章はライトで受け入れやすく、デザイナーの「表現」を邪魔しないシンプルな構成。巨匠の章の13組に対し、デザインアイコンの章は約80組ものデザイナーの作品が掲載されている。評判の高い佐藤可士和、横尾忠則など著名人だけでなく無名のデザイナーも含まれており、著者のセレクトセンスを感じた。グラフィックデザインはごく一部だが、プロダクト、生活に関わるデザイン全般を知り、表現の幅を広げるデザイン職の手元においておきたい良書。唯一の難点はページ数が多く大きいので重い。
っぽくなるデザイン
[著者] ingectar-e(デザイン事務所)
[出版] 株式会社エムディーエヌコーポレーション
[発行] 2020年
[価格] 2000円(税込2200円)
[内容] 「〜っぽい」をテーマにしたデザインレイアウトのサンプル集。カラー・写真・イラスト・フォント・テクスチャー・オブジェクトの6項目に分け、「色ベタでインパクトを出す(カラー)」「あえてラフな切抜き(写真)」「ケイ線で爽やかに(フォント)」など実際にデザインされた具体的な作例を解説している。
[おすすめポイント]頭から読まなくても「かっこいい」「可愛い」のイメージを本をパラパラめくりながら参考にできるソフトカバーが使いやすい。全体のイメージに限らず、デザイン処理のアイデア、レイアウト構成などに困った時にも。サンプルはチラシや広告だけでなくパッケージや装丁、カードなど種類も豊富。一つのテーマあたり5、6点掲載されており、現場に入りたての新人デザイナー、デザイナーにイメージを伝えたい広報担当におすすめの一点。
10倍ラクするIllustrator仕事術 【増強改訂版】
[著者] 鷹野雅弘、茄子川導彦、鈴木ともひろ
[出版] 技術評論社
[発行] 2014年
[価格] 2380円(税込2618円)
[内容] キャッチコピーに「ベテランほど知らずに損してる効率化の新常識」を謳った中級レベル以上向け、特にAdobe歴20年以上のDTPデザイナーに向けたイラストレーターの技術書。Illustratorのバージョンアップに対応し、増強改訂版はCC2014対応が購入可能。最新版CC2021対応版は発行準備中となっている。
[おすすめポイント]Illustratorは長い年月で進化を続けてきたため、年々追加された便利な機能を数多く紹介している。初級ユーザーには不向きだが、一通り必須テクニックを身に付けた中級以上、またはIllustrator黎明期から使用するベテランに最適な指南書。修正に強いアピアランスを用いたデータ作りなど、業務に即実践できるテクニックをおさらいし、より効率的によりラクに作業を行うことでスキルアップ、スピードアップの停滞を打破できる一冊。2021年新版が発行予定、人気書籍のため発売後の品切れに注意。
